C言語のstatic宣言とextern宣言について

C言語では型を修飾する修飾子(記憶クラス指定子という)にstaticとexternというものがあります。

static宣言

static宣言は関数の外側で行うときと内側で行うときとで意味合いが変わります。関数の外側で行うときは外部変数(グローバル変数とも言う)や関数宣言(関数プロトタイプとも言う)に対してstatic宣言します。以下に、その例を示します。


#include <stdio.h>

static int a;
static void func();

void main() {

	printf("main: a = %d\n", a);
	func();

}

static void func() {

	printf("func: a = %d\n", a);

}

Sample Code.1

この場合、外部変数 a と関数 func() が適用されるスコープはそのソースファイル内に限られます。プログラムソースを分割した場合、別のソースファイルから外部変数 a と関数 func()への参照はできません。関数の外側でstaticを付けることにより、外部変数や関数自体を隠蔽する役割となります。なお、Sample Code.1の実行結果は以下となります。

main: a = 0
func: a = 0

次に関数の内側でstatic宣言をしたときの例を示します。関数の内側なので局所変数(ローカル変数とも言う)に対してstatic宣言を行います。func()の局所変数 b に対してstatic宣言をしています。


#include <stdio.h>

void func();

void main() {

	func();
	printf("----\n");
	func();

}

void func() {

	int a = 0;
	static int b = 0;

	printf("func: a = %d\n", a);
	printf("func: b = %d\n", b);

	a++;
	b++;

}

Sample Code.2

局所変数は関数の呼び出しが終了すれば消滅しますが、staticを宣言することで局所変数は静的変数となり、関数が終了しても値を保持します。Sample Code.2の実行結果は以下となります。

func: a = 0
func: b = 0
----
func: a = 0
func: b = 1

static宣言していない局所変数 a は都度初期化が行われますが、static宣言している局所変数 b は次の関数呼び出しが行われても前の結果を保持していることがわかります。

ここで外部変数、局所変数、静的変数(static宣言した局所変数)の初期化メカニズムについて触れておきます。

外部変数、静的変数の初期化は1回だけプログラムが始まる前に行われます。初期値を指定することもできますが、指定しない場合は自動でゼロに初期化されます。Sample Code.1の実行結果を参照ください。

局所変数の初期化は関数が実行されるたびに行われます。局所変数は初期値を指定するか局所変数に値を代入してから使う必要があります。というのも、局所変数は明示的な初期化がない場合、その値は不定(何が入っているかわからない)となるためです。

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extern宣言

extern宣言も関数の外側と内側の両方で使われます。staticの場合は関数の外側か内側かで意味合いが変わりましたが、externの場合は同じです。

externはプログラムソースを分割した際に、別のソールファイルに記載された外部変数や関数を宣言しておくときに使います。

外部変数は「宣言」と「定義」をわけており、宣言では変数のメモリ領域の割り当てを行いません。実際にメモリ領域に割り当てるのは定義のほうです。externを付けることで定義ではなく宣言の扱いになります。ソースファイルが複数あるときに外部変数の定義は1つだけでなくてはならず、他の場所ではextern宣言にします。

以下にextern宣言を使用する例を記載します。main.cから、func.cで定義されている外部変数 a 、および、関数 func()を使用したい場合です。main.cの中でextern宣言をしています。


#include <stdio.h>

extern int a;
extern void func();

void main() {

	printf("main.c: a = %d\n", a);
	a++;
	func();

}

Sample Code.3 main.c


#include <stdio.h>

int a;

void func() {

	printf("func.c: a = %d\n", a);

}

Sample Code.3 func.c

extern宣言は関数の内側に書くこともできます。Sample Code.3 main.cを以下のようにしても問題ありません。


#include <stdio.h>

extern void func();

void main() {

	extern int a;
	printf("main.c: a = %d\n", a);
	a++;
	func();

}

Sample Code.4 main.c

この実行結果は以下となります。

main.c: a = 0
func.c: a = 1

ということなんですけれども・・・

実は、Sample Code.3のmain.cの外部変数、および、関数宣言のexternはなくてもコンパイルは通るし、実行結果も正しく出ます。

関数宣言のexternはなくても問題ないです。なぜ不要になったのかはわからないのですが、昔はプログラムソースを分割した際に別のソースファイルに記載された呼び出し先の関数が出来ていない状態でもそのソースファイルのコンパイル(オブジェクトファイルの作成)までは出来るように(明確に)仮で宣言しておいたのでは?と思います。呼び出し先の関数が出来上がったら、リンクして実行形式ファイルを作成したのではないかと。

ここの例では書かなかったのですが、外部関数をextern宣言してヘッダファイルに集めて、それをincludeするという手法は昔からあります。stdio.hなどはそうなっています。

外部変数のexternは付けるべきだと思います。main.cの外部変数 a にextern宣言をしないで、gccに以下のオプションを付けて実行すると警告やエラーとなります。gccがデフォルトで警告やエラーにしていない理由がわからないのですが。。

-Xlinker --warn-commonオプションを付けると警告となる。


$ gcc main.c func.c -Xlinker --warn-common
/tmp/cc6pxmVg.o: 警告: 共通シンボル `a' が重複しています
/tmp/ccq7NGE1.o: 警告: 前の共通シンボルはここです

-fno-commonオプションを付けるとコンパイルエラーとなる。


$ gcc main.c func.c -fno-common
/tmp/ccZAWnT1.o:(.bss+0x0): `a' が重複して定義されています
/tmp/cc7mLKXX.o:(.bss+0x0): ここで最初に定義されています
collect2: error: ld returned 1 exit status

I-O DATAのWiFiルーター WN-DX1167R の管理画面をWEBブラウザで開く方法

コロナの影響で在宅勤務となりました。WiFiルーターが古くて(11a/b/gまでしか対応していなかった)、新しいWiFiルーターを購入しました。I-O DATAのWN-DX1167Rです。電気屋に行ったら標準タイプ、強力タイプ、超強力タイプと分かれていて、WN-DX1167Rは標準タイプに分類されてました。無線LANの速度で標準〜超強力まで分かれているように思えましたが「電波がちゃんと届く」ことが大事だと思ったので推奨環境が戸建て3階/マンション4LDKとなっているコレにしました。何より安かったというのが決め手なのですが。でもAmazonのほうがもっと安かったです。。

で、本題です。WiFiルーターのセットアップは問題なくできました。PCやスマホも無線LANで繋がります。で、細かい設定をしようと思いWiFiルーターの管理画面にWEBブラウザでアクセスしたのですが、これが繋がらない。セットアップするときにユーザー名とパスワードを設定したので、これでログインをしようと思ってもできない状態です。説明書には設定画面が表示されないときは「WEBブラウザを開き”192.168.0.1″を入力して開いてみる」とありましたので、それを信じていました。

ユーザー名とパスワードの入力を求める画面です。

入力した後に表示される画面です。認証エラーとなってしまいます。

なお、説明書には「Magical Finder」というアプリをインストールして設定画面にアクセスするようなことも書かれているのですがPCがLinux(ubuntu)なのでアプリをインストールできませんでした(windows向けしかなさそう)。

で、しぶしぶスマホにMagical Finderをインストールしてアクセスしてみたところ「192.168.0.201」のアドレスにアクセスしていることがわかりました。試しにPCのWEBのブラウザから「http://192.168.0.201/」でアクセスしてみたところ、無事接続できました!ファームウェアのバージョンが1.02.000となっていて、このバージョンであれば192.168.0.201で接続できるんじゃないかと思います。

ちなみに認証エラーの画面(先ほど示した192.168.0.1でアクセスした画面)にもファームウェアバージョンが記載されていて、こちらは22.01となっています。別物なのだと思います。メーカーが推奨していないやり方かもしれないので自己責任でお願いします。

ちなみに管理画面の左側にある「モバイル表示」にするとこんな感じです。PCで使うにはちょっと見づらいです。

無線LAN自体は特に不満なく使えてます。