LightsailにDNSゾーンを作成してドメインのDNSレコード管理を委任する。

ドメインにサブドメインを作成して、サブドメインの管理をLightsailの権威DNSサーバーに委任をします。

さくらインターネットの権威DNSサーバーで example.com を管理しています。サブドメイン sub.example.com を作成して、サブドメインの管理はLightsailの権威DNSサーバーのほうで行うようにします。Lightsailで稼働しているwebサーバーに sub.example.com のドメインを割り当てます。

まずはLightsail側でサブドメインのDNSレコードのゾーン作成をします。

Lightsailの管理画面から「ドメインとDNS」を選び「DNSゾーンの作成」を押下します。

ドメイン設定の画面になるので「別のレジストラからドメインを使用」にチェックを入れてドメイン名を入力します。ここに記載するのはサブドメインです。

ドメイン設定の画面の下部に「DNSゾーンの作成」のボタンがあるので押下します。LightsailではDNSゾーンの管理に料金はかかりません。

ゾーンを管理するネームサーバーが割り当てられるので、表示されたネームサーバーをメモしておきます。

ドメインタブからDNSレコードタブの方に切り替えます。「レコードの追加」をクリックします。

DNSレコードの登録画面になるので、レコードタイプは「Aレコード」、レコード名には「@」、解決先にはLightsailで稼働しているwebサーバーのIPアドレスを入力します。下部にある「保存」をクリックします。

同様にレコードタイプが「AAAAレコード」の登録も行えます。こちらは任意です。なお、AレコードはIPv4での名前解決、AAAAレコードはIPv6での名前解決となります。

DNSレコードを保存すると以下のように表示されます。Aレコード、および、AAAAレコードを登録しています。

割り当てタブのほうです。解決先にLightsailのインスタンス名が表示されています。

以上でLightsail側でのゾーン作成は終わりです。次にさくらインターネット側でネームサーバーの登録作業を行います。

さくらインターネットの管理画面にある「契約中のドメイン一覧」から「ドメインコントロールパネル」をクリックします。

利用しているドメインの一覧が表示されるので該当するドメイン(サブドメインを作るドメイン)の行の「ゾーン」をクリックします。

ゾーン情報のレコード設定を行います。編集ボタンを押下します。

レコード追加の画面になるので、エントリ名は「sub」、タイプは「NS」、データには「Lightsailのネームサーバー」を入力します。Lightsailのネームサーバーは先ほどメモしたものです。4つを入力します。このときネームザーバー名の最後には「.」をつけます。右側の追加ボタンを押すと行が追加されます。DNSチェックはデフォルトではついていますが、外しておきます。入力ができたら保存ボタンを押下します。

nsレコードを登録した後の状態です。Lightsail側のネームサーバーが追加されています。

ウェブブラウザから「http://sub.example.com」を入力してLightsailで稼働しているWEBサーバーにアクセスします。ウェブページが表示されれば完了です。

DNS64 / NAT64 の仕組みについて

IPv6ネットワークの環境からIPv4ネットワーク環境へ通信する必要がある場合、DNS64/NAT64という技術を使うことで通信ができるようになります。

以下が概念図です。

①〜⑥について、説明します。

①.DNSへの名前解決
端末が目的のWEBサーバーの名前解決をDNS64サーバーに依頼します。

②.DNSサーバーへの中継
DNS64サーバーは名前解決を中継してDNSサーバーに問い合わせます。

③.「A」レコードの返却
DNSサーバーはアドレスレコード(「A」レコード)を返却します。目的のWEBサーバーはIPv4アドレスであるため「AAAA」レコードの返却ではありません。

④.「AAAA」レコードへの変換
DNS64サーバーは「A」レコードを「AAAA」レコードに変換して端末に返します。IPv6アドレスへの変換方法ですが、IPv4アドレスの前に「64:ff9b::/96」のプレフィックスを付与します。

例えば、DNSサーバーが返した「A」レコードが 192.1.1.10 だった場合、192.1.1.10 を2進数表記に直すと 11000000 00000001 00000001 00001010 となります。これを更に16進数表記にすると C001:010A となります。

その結果、「AAAA」レコードは 64:ff9b::c001:10a となります。

⑤.WEBサーバーへのアクセス
端末は④で返されたアドレスにアクセスします。

⑥.IPv4アドレスの変換
NAT64機能を搭載したルーターは、IPv6アドレスのプレフィックスを外して(IPv4アドレスに変換して)目的のWEBサーバーにリクエストを中継をします。WEBサーバーからのレスポンスについては、IPv6に変換して端末に返します。