SQLのhaving句の使い方

SQLにはhaving句があるのですが、その使い方を書いてみます。having句は集合関数を使ったときに、集計された結果を条件にすることができます。言葉ではわかりづらいので、例を示します。

注文テーブルがあります。注文されたときの一覧です。1回の注文で1レコードが作成されます。

ここで、注文テーブルからよく売れている(売れた個数が多い)商品を確認するSQLを考えてみると、以下のSQLになります。

select 商品, sum(個数) from 注文
group by 商品;

結果は、こうなります。

この結果からさらに「○個以上売れているもの」を抽出したい場合にhaving句が役に立ちます。例えば、3個以上売れているものを抽出するSQLは以下です。

select 商品, sum(個数) from 注文
group by 商品
having sum(個数) > 2;

結果は、こうなります。

having句は集合関数の結果に対して条件をつけて抽出することができます。集合関数には、count()、sum()、avg()などがあります。

別の例として、注文が2回以上あった商品(注文テーブルに2レコード以上ある)を抽出するSQLは以下です。

select 商品, count(*) from 注文
group by 商品
having count(*) > 1;

結果は、こうなります。

あるテーブルをgroup by句で集計した結果に対して、さらに条件をつけて検索したい場合にhaving句が役に立ちます。

以下の形で覚えてしまいましょう。

SQLのexists句の使い方

SQLにはexists句があるのですが、その使い方を書いてみます。exists句は副問合せの結果が真となれば、その内容を抽出します。言葉で言ってもわかりづらいため、例を示します。

商品テーブルと売上テーブルがあります。商品テーブルは商品の一覧、売上テーブルは売上の一覧です。

例えば、3/1に売上のあった商品名を抽出したい場合は以下のSQLです。

select 売上.日付, 商品.商品名 from 商品, 売上
where 商品.コード = 売上.コード
and 売上.日付 = '3/1';

結果は、こうなります。

exists句の使い方ですが「売上のあった商品を抽出」したい場合に役に立ちます。SQLを書くと以下となります。

select * from 商品
where exists
(select * from 売上 where 商品.コード = 売上.コード);

結果は、こうなります。

副問合せの結果が真(つまり、売上テーブルにある商品)の分を商品テーブルから抽出します。

exists句は、関連する2つのテーブルがあった場合、一方のテーブルに含まれる(存在する)レコード分をもう一方のテーブルから抽出するときに使うと良いです。

ちなみにこれはin句を使って代用もできます。in句を使った場合のSQLは以下です。

select * from 商品
where 商品.コード in
(select 売上.コード from 売上);

この場合も、商品テーブルからりんごとみかんの2レコードが抽出されます(exists句を使った場合と結果は同じです)。

売上のあった商品ではなく売上のなかった商品を抽出したい場合は、existsにnotをつけることで抽出できます。

売上のなかった商品を抽出するSQLは以下です。

select * from 商品
where not exists
(select * from 売上 where 商品.コード = 売上.コード);

結果は、こうなります。

ここからは補足です。

売上のあった商品を抽出する際に、商品テーブルと売上テーブルを表結合しても抽出できるのではないか?と思う人もいるかと思います。確かに抽出はされるのですが余分なレコードも抽出されてしまいます。

表結合した場合のSQLです。

select 商品.* from 商品, 売上
where 商品.コード = 売上.コード;

この場合の結果は、こうなります。

りんごが2件抽出されてしまいます。これは売上テーブルが3レコードあるため、3レコード分が対象となってしまうためです。