Javaの例外処理とコンパイルエラーについて

Javaでは例外(Exception)が発生するので、その例外を適切に処理する記載をしておかないとコンパイルエラーになります。例外の処理方法は2つあります。

  • try 〜 catch文により例外をキャッチする。
  • メソッドの宣言にthrows句を記載して、呼び出し元に例外を引き渡す。

Javaでは例外処理を記載することが原則ですが、当てはまらないケースが1つあります。それは RuntimeException を継承したクラスの例外です。

RuntimeException を継承したクラスには ArrayIndexOutOfBoundsException(配列の添字が不正の時に発生する)や ArithmeticException(ゼロで除算した場合に発生する)などがあります。

例外処理の記載がない場合、RuntimeException はJavaの実行環境までスローされます。

以下の青色の例外は例外処理を記載しなくてもコンパイルエラーにはなりません。

実際にサンプルプログラムで動きを確かめてみました。

通常の例外の場合です(RuntimeExceptionでない例外のことです)。独自の例外クラスを作成し、例外処理を記載しました。

ThrowException1の中でSampleExceptionという例外を発生させ、MainSample1で例外をキャッチします。

ソースコードは以下です(テキストエディタの画像を貼り付けたのでコードは最後に記載しておきます)。

SampleException.java
– – – – –

ThrowException1.java
– – – – –

ThrowException2.java
– – – – –

MainSample1.java
– – – – –

実行結果です。


$ java sample4.MainSample1
この例外は発生しません
例外をcatchしました
sample4.SampleException: SampleExceptionが発生しました

MainSample1の e2.exampleException(1); を実行したときは例外が発生しないためThrowException1の中で「この例外は発生しません」の文言を出力しています。e2.exampleException(-1); を実行したときにSampleExceptionの例外が発生したためMainSample1で例外をキャッチして処理を終わらせています。

なお、MainSample1で try〜catch 文を使わなかった場合、次のようなコンパイルエラーになります。


$ javac sample4/MainSample1.java 
sample4/MainSample1.java:10: エラー: 例外SampleExceptionは報告されません。スローするには、捕捉または宣言する必要があります
			e2.exampleException(1);
			                   ^
sample4/MainSample1.java:11: エラー: 例外SampleExceptionは報告されません。スローするには、捕捉または宣言する必要があります
			e2.exampleException(-1);
			                   ^
sample4/MainSample1.java:12: エラー: 例外SampleExceptionは報告されません。スローするには、捕捉または宣言する必要があります
			e2.exampleException(2);
			                   ^
エラー3個

ThrowException2のexampleExceptionメソッドに throws SampleException を付けなかった場合は、次のようなコンパイルエラーになります。


$ javac sample4/ThrowException2.java 
sample4/ThrowException2.java:8: エラー: 例外SampleExceptionは報告されません。スローするには、捕捉または宣言する必要があります
		e1.exampleException(i);
		                   ^
エラー1個

RuntimeException が発生する場合です。

メソッドにthrows句を記載しなくても例外は呼び出し元に返されます。MainSample2では例外をキャッチする記載(try〜catch文)がないため、例外はJavaの実行環境まで返されます。

ソースコードは以下です。

ThrowRuntime1.java
– – – – –

ThrowRuntime2.java
– – – – –

MainSample2.java
– – – – –

実行結果です。


$ java sample5.MainSample2
この例外は発生しません
配列に値を格納しました
Exception in thread "main" java.lang.ArrayIndexOutOfBoundsException: 3
	at sample5.ThrowRuntime1.exampleException(ThrowRuntime1.java:12)
	at sample5.ThrowRuntime2.exampleException(ThrowRuntime2.java:8)
	at sample5.MainSample2.main(MainSample2.java:10)

MainSample2の e2.exampleException(1); を実行したときは例外が発生しないためThrowRuntime1の中で「この例外は発生しません」の文言を出力しています。e2.exampleException(-1); を実行したときにArrayIndexOutOfBoundsExceptionの例外が発生してJava実行環境まで渡されます。Java実行環境は例外の内容を標準出力しています。

ちなみにこのケースですが、ThrowRuntime1で例外を発生させたあとに「配列に値を格納しました」の出力をするようにしました。例外が発生しているため処理が中断されるのかと思ったのですが、そうでもないようです。実行結果として「配列に値を格納しました」の文言が出力されているので、そのあとに例外をスローしているようです。

ここで使用したソースコードを記載しておきます。

SampleException.java


package sample4;

public class SampleException extends Exception {
	//コンストラクタ(同じパッケージにのみ公開)
	SampleException(String s) {
		//スーパークラスのコンストラクタを呼び出す
		super(s);
	}
}

ThrowException1.java


package sample4;

public class ThrowException1 {

	void exampleException(int i) throws SampleException {
	
		if ( i > 0 )
			System.out.println("この例外は発生しません");
		else
			throw new SampleException("SampleExceptionが発生しました");

	}
}

ThrowException2.java


package sample4;

public class ThrowException2 {

	void exampleException(int i) throws SampleException {
	
		ThrowException1 e1 = new ThrowException1();
		e1.exampleException(i);

	}
}

MainSample1.java


package sample4;

public class MainSample1 {

	public static void main( String[] args ) {
	
		ThrowException2 e2 = new ThrowException2();
		
		try {
			e2.exampleException(1);
			e2.exampleException(-1);
			e2.exampleException(2);
		} catch ( SampleException e ) {
			System.out.println("例外をcatchしました");
			System.out.println(e);
		}
	}
}

ThrowRuntime1.java


package sample5;

public class ThrowRuntime1 {

	void exampleException(int i) {
	
		int[] a = new int[3];
	
		if ( i > 0 )
			System.out.println("この例外は発生しません");
		else
			a[3] = 1;
			System.out.println("配列に値を格納しました");
	}
}

ThrowRuntime2.java


package sample5;

public class ThrowRuntime2 {

	void exampleException(int i) {
	
		ThrowRuntime1 e1 = new ThrowRuntime1();
		e1.exampleException(i);

	}
}

MainSample2.java


package sample5;

public class MainSample2 {

	public static void main( String[] args ) {
	
		ThrowRuntime2 e2 = new ThrowRuntime2();
		
		e2.exampleException(1);
		e2.exampleException(-1);
		e2.exampleException(2);
	}
}

HTMLのtextareaタグで不要な改行が入ってしまう。

textareaタグに文字列を表示しているのですが、文字列の最後に不要な改行が入ってしまいました。

HTMLはこのようになっています。

「入力してください」のあとに改行が入ってしまった理由ですが、HTMLの書き方が悪かったようです。HTMLには「サンプル」という文言があるのですが、こちらはbrタグを入れて改行しています。textareaタグでは、そのままの形で表示されてしまうようです。

つまり、HTMLを以下のようにすれば改行されなくなります。

もともとのHTMLで改行されたのは「入力してください」のあとに改行をいれていたからのようでした。

ちょっとしたメモでした。